Quality & Quantity

本と映画の紹介&自己研鑽

Book selection ;「科学的な適職」

f:id:Quality:20211024174103p:plain

鈴木祐著書 クロスメディア・パブリッシング(インプレス) 科学的な適職

 

本のコンセプト

 

科学的根拠に基づき、キャリア選択という正解のない悩みに答えを出す方法を具体的に解説しています。厚生労働省の調査では、入社から3年以内に会社を辞めた人間の割合は、大卒でも約30%を超えているとのこと。さらにやる気を持って働いているサラリーマンは全体の6%しかいないというデータもあります。このことから分かるのは、いかに自分に合った職業に就くのが難しいかということです。様々な観点から自分に合った職業に就ける確率を高める方法を知りましょう。

 

この本の結論です。

 

適職とは、幸福度を上げる仕事である。」

しかし、仕事と幸福度の関連性について私たちは勘違いしている。その勘違いを知れば、仕事選びで損することを防げる。

 

本書では、仕事選びに重要な要素、仕事と幸福度の関係、最悪な職場に共通することについて詳しく解説しています。その中から特に共感したことを抜粋して紹介します。

 

仕事選びに重要な要素

 

まず一つ目の題材は、好きを仕事にすること

 

好きを仕事にした方が幸せに決まってるじゃんという方も多いと思います。僕もそう思ってました。なぜなら、これは数多くのインフルエンサーが大合唱しているセリフです。Youtubeを見ていると好きなことを仕事に。という謳い文句もありますよね。

しかし、多くの研究結果によれば、自分の好きなことを仕事にしようがしまいが、最終的な幸福度は変わらないというデータがあります。

 

例えば、ゲームが好きで、ゲーム会社に就職したって、やりたくもない営業に配属されることだってあるわけです。好きを仕事に求める気持ちが強いとその分だけ理想の現実と仕事に対するギャップを感じやすくなり、この仕事を本当に好きなんだろうかという考えが常に生じ、その結果幸福感が下がってしまいます。

 

最高の状態を求めるあまり、いつまでたっても満足できないという状態に陥ってしまうのです。そうではなく、仕事は仕事と割り切ってしまった方が、長く仕事を続けるうえで重要だそうです。

 

仕事への思い入れがない分だけトラブルに強く、何かトラブルが起こっても仕事はこんなもんだと思うことが出来て、お金さえもらえればいいかと思うことで、帰宅してからの趣味を楽しんだりして、幸福感をキープできるのです。

 

では、二つ目の題材、給料の多さで選ぶ

 

とりあえず働くなら僕らはお金が高い方がいいに決まってると思う人は多いと思います。給料の多いか少ないか、お金と幸福度はほとんど関係がありません。

 

しかし800万を超えると、これ以上幸福度は増えないというデータがあります。実際は400万から500万から先は収入が増えても、幸福度はそこまで変わりません。これより先はコスパが悪いのです。

 

だから400万の人がこれ以上給料を上げるために大切な人との時間を削ったり、趣味の時間を削って年収を上げようとするのは、 幸福度という観点からすると科学的に間違った選択になります。

 

三つめの題材、仕事の楽さで選ぶ

 

仕事が楽なほど良いと思いがちですが、実際のデータは楽な仕事は死亡率を2倍に高めることがわかっております。これは単純に退屈感が幸福度を下げてしまうからです。ストレスがありすぎるのはよくありませんが、私達には、適度なストレスが必要なのです。

 

例えばデータをExcelに入力するといった単調作業は、特に何のスキルも必要ありません、とても楽な仕事と言うでしょう。しかし達成感や貢献とは無縁で、退屈な時間が徐々に私達の体を蝕みます。

 

頑張ればできるぐらいの適切な難易度の仕事に取り組むことが重要です。

 

仕事と幸福度の関係

 

では次に、仕事の幸福度を決める要素について3点取り上げます。

具体的には自由・達成・仲間です。

 

一つ目の自由について。

例えば不自由な職場っていうのは、タバコよりも体に悪いということがわかっております。すべて上司に言われた仕事をこなしている。自分が意見を言える場所が全くない、自分の裁量権がないといった職場は自身の健康を害することになります。人間関係も仕事をする上で重要な要素ということです。当然仕事への満足感も下落してしまいます。 

 

二つ目は達成です。達成感が大事なのはなんとなく分かりますよね。科学の世界でも、小さな達成が仕事のモチベーションを大きく作用することがわかってきました。人間のモチベーションが最も高まるのは、少しでも前に進んでるときです。これが科学の結論なのです。

 

逆に自分のやった仕事の成果が目に見える形でわからないと達成感は得られず、 モチベーションは低下してしまいます。だから私達は、自分のやった成果が目に見えるのかということを、仕事をする上で意識しましょう。

 

三つ目は仲間です。同じ職場の友人が3人いれば、仕事のモチベーションがかなり上がるという結果が出ております 。一匹狼で頑張るのもいいですが、科学的には困ったときに助けてもらえるような友人を職場で持つことは、幸福感とモチベーションを維持する上でとても大切なことです。

 

皆さんもよく納得されることではないでしょうか?職場に仲の良い人が1人でもいると、困ったときに助けてもらえるかなという安心感によってモチベーションが跳ね上がるわけです。

 

最後にまとめますと、

好きを仕事にすること、給料の多さで選ぶ、仕事の楽さで選ぶことは自身の幸福度と関連性がないこと。

・仕事と幸福度について自由・達成・仲間が非常に重要な要素であること。

 

ぜひ、職業選択の際に誤りがちな罠を知って、仕事の幸福度を大きくする要素について知り、 最悪の職場に共通する知識を得ましょう。そうすることで自分に合った職業選択という難問に立ち向かう方向性が得られると思います。