Quality & Quantity

本と映画の紹介&自己研鑽

Book selection;「科学がつきとめた運のいい人」

f:id:Quality:20211024174103p:plain

中野信子著書 サンマーク出版 科学がつきとめた「運のいい人」

 

本のコンセプト紹介

幸運は皆に公平に降り注いでおり、それに対して私達は主体的に関わっている。

本書では、運という一見どうしようもなさそうなものに対して科学的にアプローチし、運が良い人になる方法について解説しています。自分は運が悪くて上手くいかないと思っている方に非常にオススメな一冊です。

 

私がこの本を読んで特に共感した部分

1、中野先生の考え

2、運がいい人になる三つの方法

以上、2点について紹介します。

 

1、中野先生の考え

中野先生は講演は私達に公平に降ってくるものであり、運がいいか悪いかというのは、その目の前の困難をつかめるかつかめないかの違いだと主張しています。つまり運とは全くコントロールできない、どうしようもないものではなく、私達の考えや行動によって変えられるものであるということです。

 

運というものについて自分ではどうしようもないものと決め付けて終わるのではなく、科学的にアプローチした場合、いかにたくさんチャレンジできるのか、チャンスに気付けるのか、そのチャンスに飛びつけるのかなど幸運をつかむための要素が見えてきます。

 

運が良いのか、運が悪いのかというのは、その人の考え方や行動のパターンによって作り出されるものであるということです。運をなるべく味方につけるにはどうすれば良いのか具体的に示されているのが本書のとても面白い点です。

 

幸運は私達に公平に降っているものであり、運が良いか悪いかというのは、その目の前の幸運をつかめるかつかめないかの違いである。そして、運が良い人とは試行回数が多くて、チャンスに気づくことができる人だということ、つまり運の良し悪しとはその人の考え方、行動のパターンによって長い時間をかけて作り上げられているということでした。

 

どんな考え方や行動のパターンを持っていれば、運が良くなるのでしょうか?

 

2、運がいい人になる三つの方法

 

まず1つ目は自分で自分を大事にすることです。

自分を大事にするという行動パターンを持っている人の方が運が良い人だと言えます。なぜ自分を大事にすると、運が良くなるのでしょうか?

それは、自分を大事にしている人は、周りの人からも大事に扱ってもらえるからです。そもそも前提として、運の良し悪しには、他人と良い人間関係を築けているかということが大きく関わってきます。なぜ良い人間関係が大事かというと、良い人間関係からいいチャンスが生まれたり、人は他人と協力したり、競争したりする中で、大きな成果を上げることができる社会的な生き物だからです。

 

良い人間関係を持つことには、もう一つ利点があります。良い人間関係は脳を活性化させるのです。具体的には、セロトニンオキシトシンドーパミン、エンドルフィン、様々な脳内物質の分泌を促してくれます。

 

セロトニンは別名幸せホルモンと呼ばれます。軽い運動をする、日光を浴びる、入浴、良い人間関係を持つことなどによって脳内で分泌され、メンタルを安定させる、やる気や活力を与えてくれる、頭がすっきりするなどストレス解消効果もあります。

 

次にオキシトシンについて、オキシトシンは別名愛情ホルモン、オキシトシンは人や動物とのスキンシップ、慈しみの感情、愛情などが引き金となって脳内で分泌されます。オキシトシンには脳機能の向上、ストレス軽減、過度な食欲の抑制などの効果があります。

 

ではドーパミンについて、ドーパミンは別名やる気ホルモン、ドーパミンは目標を達成するときや、目標達成に向けて努力するとき、ライバルと競い合うときなどに分泌され、私達に大きなやる気、活力を与えてくれます。

 

最後にエンドルフィンについて、エンドルフィンは別名脳内麻薬、エンドルフィンは、激しい運動や心身のリラックス心身の快感を感じるときに分泌されます。具体的には、アロマやクラシック系の音楽などによって心がリラックスする、好きな食べ物を食べるなどによって身体が快感を感じるときなどに脳内から分泌されています。そしてエンドルフィンが出ると私達は多幸感、恍惚感を感じ、ストレスの解消、体の修復、脳機能の向上などの効果に繋がります。

 

以上のように、セロトニンオキシトシンドーパミン、エンドルフィンはいずれも様々な良い効果を私達に与えてくれるものです。そしてこの4つの脳内物質はいずれも良い人間関係によって、よりたくさん分泌されます。

 

運が良い人とは良い人間関係を持っています。なぜなら、幸運は人経由で降ってくることが多く、良い人間関係を持つことで心身に良い影響を与えて、いつでも降ってきた幸運に気付ける状態、掴み続ける活力がある状態を保たせてくれるからです。そして良い人間関係を持つために大事なことが、自分を大切に扱うということです。そうすることで周りの人も自分を大切に扱ってくれます。

 

これは心理学では割れ窓理論と呼ばれているものです。割れ窓理論とは、建物の窓が壊れているのを放置すると、その地域では犯罪が起こりやすくなるという理論のことです。この割れ窓理論の身近な例を挙げると、ポイ捨てがあります。何か一つでもゴミが落ちているとさらなるポイ捨てが起きやすい。それに対して、ゴミが一つも落ちていない綺麗な場所では誰もポイ捨てする気が起きないのです。要するに、既に雑に扱われているものは、さらに雑に扱われやすく、既に大事にされているものは引き続き大事にされやすいというのが人間の心理です。

 

そして、この割れ窓理論という人間の心理は、対人関係でも生じます。つまり、自分のことを粗末に扱っていれば、周りの人も自分のことを粗末に扱い、自分のことを大事に扱っていれば、周りの人も自分のことを大事に扱ってくれやすいというものです。具体的には、健康に気を使う、身なりを整えるなどのように自分を大事にしてあげることが大事です。そうすることで、良好な人間関係を築きやすくなります。

 

では次に、2つ目の方法は、自分は運がいいと決め込むことです。

自分は運が良いと思っている人と自分は運が悪いと思っている人では、困難に対する捉え方や対処法が変わってきます。例えば、自分は運が悪いと思っている人は、困難や失敗に対して自分は運が悪いからうまくいかないんだと、失敗を運のせいにしてしまう部分がどうしても出てきてしまいます。

 

それに対し、自分は運が良いと思っている人は失敗や困難に対して自分は運が良いのに、うまくいっていない。ということは、やり方が悪かった等、運以外に失敗した原因について考えます。つまり、自分は運がいいと思っている人の方が改善や努力をし続けているのです。このように考え方によって困難に対する対処方法が違い、この違いが長い年月をかけて積み重なることで大きな結果の違いが出てくるでしょう。

 

つまり、自分は運がいいんだと思い込んでいる人の方が成長しやすく、さらなる幸運に繋がりやすいということです。目の前に降ってきた幸運をつかみ取りやすい思考だということです。

 

最後に3つ目は、他人との共生を目指すことです。

人は社会を形成して協力することで繁栄してきた生き物です。そんな私達は脳の仕組み上、人と協力するときや、競い合うとき、人に感謝するとき、感謝されるときなどに高いパフォーマンスを発揮することが出来ます。即ち、他人との共生を目指す人の方が運が良い人になります。他人との共生を目指すことで自身のパフォーマンスを上げることができ、他者との良い人間関係が幸運には大きく関わっています。

 

自分の成功だけを考えるのではなく、みんなの成功を目指せる人、そんな人が良い人間関係や良いチャンスを得ることが出来るのです。

 

全体のまとめ

1、幸運は私達に公平に振っているものであり、運がいいか悪いかというのは、その目の前に降ってきた幸運をつかめるか、つかめないかの違いである。そして、運がいい人とは、試行回数が多く、チャンスに気づけて、チャンスに飛びつける人だということ。

2、運が良い人になるための3つの方法は、自分で自分を大事にすること、自分は運がいいと決め込むこと、他人との共生を目指すこと